【第27回】400mを語り尽くす
タイトルすごいですね。笑
後輩からのリクエストで、
『400mについてとにかく語って欲しい!』と言ってくれたので書きたいと思います。
何なら、中高ずっと僕の専門種目です。
初めてやった時、こんな地獄の種目だったのかよ!と思ったのを覚えています。😂
だらだらと書いているとまとまりがなくなるので、今回は章立てでやっていきたいと思います。
- 400mのキホン
- リレーとして
- トレーニング
- 日本と世界の400m
- 僕の考える400m
---------------------------------------------------------------
1 400mのキホン
400mと言ったら、まず陸上競技場1周にあたるのが400mです。
そのため、1周のタイムを争う種目です。
そして400mまでの距離がセパレート種目であり、自分の与えられたレーンのみを走りスターティングブロックもつかいます。
システムとしては、短距離種目の扱いとなりますね。
短距離の基本的な共通事項は、セパレートレーンでかつスターティングブロックが用意されていること。
陸上競技をやっていない人に、400mを説明すると長っ!中距離じゃん!って言われますが
何度も言います、400mは短距離種目です!笑
だから、まとまった練習としては短距離のスプリントトレーニングがメインとなります。
意外と400mのための練習って少ないですよね。
中距離としても短距離としても400mは鍛えられるのであんまり考えすぎずに出来るのも良いところかもしれませんが。
2 リレーとして
高校生からは4×100mRに加えて、4×400mR(マイルリレー)が追加され400m選手が大活躍するリレーが登場します。
ルールとしては、
1走はセパレートレーンのみを走り、2,3,4走はオープンとなりぐちゃぐちゃになるリレーです。(ざっくりしすぎましたが、小学校のリレーと同じです)
オープンだからこそ、外から抜いたり抜き返したり、はたまたバトンがぶつかって落としちゃったり…熾烈な戦いが繰り広げられます。
今やYouTubeやTwitterでもマイルを見ることができます。
走っている人にとっては緊張しますが、感動的なレースも多々あります。
決勝なんて、総力戦のレースで見ている方も3分少々ドキドキしっぱなしです。
良くも悪くも波乱万丈なレースとなりうるので、見どころ満載なんです!
そしてなにより、どんな選手も死ぬ気で走る姿がカッコいい(4継ももちろん)
追いつかないであろう距離を縮め、そして抜き去る。
うわーもうマイルリレーやりたくなってきました!笑
ちなみに僕が初めて生で見たマイルリレーはこちらです。
https://m.youtube.com/watch?v=Cf_HTaJkVjM
(2014年千葉県高校総体)
初めてスタンドからみたマイルは衝撃だった。
400mをあんなに速く走るんだ。
スピード感が中学と全く違かった。
中学と高校の400mって世界が全く違います。種目別なんじゃないのと思うくらいです。
中学なら全国出れるようなタイムでも県出るのでやっとになってしまう。
そうなると速い人を4人も集めるのってなかなか大変な話なんです。
リレーは1人ぶち抜けてればいいって訳じゃなくて4人を揃えないといけないんです。
4継と同じようにその難しさはありますが、高校から始める人も多いので、毎年色んな学校が出てきて面白いですよ!
ちなみに千葉県の決勝のボーダーは3分20〜21が平均なので、1人50秒台以下を出さないといけないことになります。
女子の場合は3分59〜4分なので、1人あたり60秒台以下を出さないと残れません。
平均ボーダーを意識しながら、マイルチームを作っていくことが大事だと思います。
あとはバトンパス。
昔の学館のバトンパスはエグかった。
下での受け渡しでリスクはあったけど、タイムは一気に縮まる。
4継でいうアンダーハンドパスみたいなもんです。
手を突き出してもらって のイメージが強いですが、渡し方には実は色々あります。
やり方によっては4人で2秒くらい縮められるんです。(リスクは伴いますが)
3 トレーニング
400m選手が400mのトレーニングをしようとする時に、様々なアプローチがあります。
いくつか例を挙げていくと、
- 200mをどれだけで入れるのか。
- 300mをどれだけで入れるのか。
- ラスト100mでどれだけ上がるか。
- 500m(60秒走)を上げる。
- パワーバイクを強度強く漕ぎ続けるか。
- 何本も走れる(上がっていくか)。
- 体力がもつのか。
- 前半から突っ込んで攻めれるか。
ざっと思いついただけでもこんだけあります。
もっとたくさんアプローチはあります。
自分でアプローチを探していけるのも400mならできるはずです。
やっぱり100mだけをやってきた人にとって急に走れる距離でもないし、100m10秒台の人でも400mになると全く走れなくなる人なんてざらにいます。
それだけ難しい種目であることは確かであるし、だからこその面白さもあります。
一周を駆け抜ける面白さは直線では味わえないはずです。
まあそうは言っても400mの練習といったらしんどいイメージありますよね。
でも、ショートスプリントの人だって走れる能力を得たら勝ちきるチカラがつきます。
現に、県からインターハイまで"勝つ人"は400mだって本当に速いです。僕も普通に負ける人は負けます。
でもこのしんどいようなトレーニングって400mのためで片付けてはいけないと思います。
ショートスプリントだって世界がトレーニングの一環として走るべきだと思うし、可能性を探ることもできます。
結局は、弱さを強みに変えるトレーニングにしてほしいところなんです。
そのトレーニングの一つに400mの練習があるよということを伝えたかったです。
4 日本と世界の400m
この2つには大きな違いがあると思います。
ずっと見てきた中で(まだ9年ぐらいですが)1番違うと思ったのは距離感覚です。
世界の400mランナーは100,200と同じようにあっという間な短距離種目として400mを走っているように見えます。
これは完全な個人の見解なので、人によって意見が割れるかもしれません。
でも、オリンピックや世界選手権など名だたる選手が出てくる試合で走りを見ていると、本当に一流と呼ばれるランナーは400mではなく200mを走っているくらいにしか見えないんです。
決して日本が400m感だしているというわけではありません。
また、200mと並行して世界を狙うランナーが多いことも特徴だと思います。
世界トップレベルの400mランナーは200mだって世界レベルです。
ここの違いをもっと深掘りすることで、彼らの本質を見抜くことができると思います。
ちなみに、僕の好きな海外の選手はアイザックマクワラです。🇧🇼
ボツワナの英雄と呼ばれ、400mでは毎回決勝に残ってくる強者です。
大体は、バンニーキルクやノーマンに注目しがちです。
マクワラのすごいところって世界の舞台でも自分で追い込めることです。
どういうことかを示した動画を紹介します。
https://m.youtube.com/watch?v=4dubBBwi8YY
世界陸上2017の際、食中毒で予選レースを走らなかったため救済措置として1人レースを行いました。
彼は400m専門ですが、200mも19.77の記録をもつトップ中のトップアスリートです。
タイムレースでしたが、準決勝に進み、さらに全体3位で決勝にも進み決勝では6位になりました。
1人で迎える世界の舞台。
考えられない世界で、1人で追い込む。
そして普通に準決を決める姿に感動しました。
彼はInstagramをみてもわかりますが、自分で追い込む能力がとても高いです。
もちろん他のトップアスリートだってそういう能力はあるはずですが、あの200mのレースはホンモノだと思いました。
ちなみに、彼の練習も僕の練習に取り入れることにしています。
彼も筋肉バランスを意識したトレーニング方法だからです。
気になった方は彼の本職でもある400mを見てみてください!
5 僕の考える400m
お前にとって400mって何だよ?
そう聞かれたらこう答えます。
人生変えた種目ですね。と
僕の400mとの出会いは中1の冬に先輩を追いかけ始めたことです。
ここで、何度か聞かれたことあるので400mのベストを中学から載せます。
中2 → 55.75 中3 → 53.48 高1 → 52.61
高2 → 49.95 高3 → 49.71
あれっ?て思った人いると思いますが、大学入ってから400mは走っていません。
48秒台狙えると思うまで出場するのやめることにしているんです。笑
もう50秒台なんて出したくないし、49秒も見たくもない。
で、出さないともっと恥ずかしいですが😂
でも今思うと、中学の自分にはあり得ない世界に連れて行ってもらったなと思います。
高校時代のOBのコーチと2年からきた恩師には感謝してもしきれないです。
別に大した記録でもないですが、自分の成長はとっても楽しめた中高の陸上競技でした。
県の決勝も走れたし、陸上通じて千葉のトップアスリートと沢山知り合えたし、現在も個人で陸上続けられているし、
400mのお陰で陸上競技人生を楽しめています。
そして400mはトレーニングを試しやすく、アプローチが色んな角度からできる点で僕は好きです。
そして、ずっとやってきた100mや200mも400mの力になる。
本当だったら、100mで10秒台出したいし100mでずっと勝負したかった。
でもこれなら俺が勝負できるって種目に出会えた。
たとえ個人の400mで負けても、リレーで千葉県で1番速い2走、4走に近づけた。(さすがに1位は無理でした)
マイルリレーでは県だって何人も抜けた。
どんな奴も抜かしてやると思って走っていたので、鬼の形相だったみたいです。👹
そのエネルギーの源は何人でも追いつき抜けるチームのエースになりたい気持ちでした。
だってリレー選手ってカッコいいじゃん。
400mのリレーってほんと前追いかけていて楽しいんです。
チームには走れない人もいるのに、選ばれて出場させてもらって。
ならチームのために圧倒的でカッコいいエースになりたいじゃないですか。
でも結局、5位から3位にあげても負けた。20m離れた市松を目の前まで追いつめても負けた。10位で県の決勝逃した。
マイルの準決で負けて、みっともないくらい初めて泣いた。(翌日両目がハチに刺されたみたいに腫れ上がりました)
この全部の記憶が今でも呼び起こされるから、コーチやりたいと思うし、自分もまだ競技を辞めたいってならないんだと思います。
こんなに喜怒哀楽が表に出る種目は初めてだし、だからこそいつまでも飽きない。
200mも専門でしたが、準決で負けてもあーあで終わりでした。
感情論ってあんまり良くないですが、この他の種目では味わえないくらいの闘志と緊張が湧き上がってくるのが400mでした。
どんな人にもそういったスポーツ、趣味はあるはずです。
ちょっと自分の話しすぎました。でも僕の抱いた400mへの感情ほぼ全てです。
そして、400mって瞬間的なんですが、何度か選択を迫られる瞬間があります。
僕は400mを走る時、記憶のある瞬間は
- スタートから加速する段階
- バックストレートの走り
- カーブのどこからギア上がるか
- ラスト30mのキツイところ
の4つです。
よくよく考えると100mごとですね。
ここを通過するたびに一瞬の選択が迫られます。
当然スピード落とすなんて、そんな考えは毛頭ないです。
スピードというよりかは走り方を迫られる感じです。
こう走れと自分に指令している感じ。
なかなか表現が難しいです。
でも、この感覚って400mをやっている人にしかわからないと思います。(400mランナー全員でもありませんが)
選択を与えられる最短の種目な気がします。
それ以下の距離は頭が回る隙さえないので。笑
さらに!思い出したので言うと、
僕は高校時代、マイルリレーの強いチームに今"何番手"として入れるのかを常に意識してきました。
それは他の県でも当てはめてみました。(神奈川や東京)
マイルリレーを考える上でも必要ですが、それ以上に自分が速い人たちにどこまで通用するかを数字として見たかったんです。
これ意外と使えるので高校生なんかはよかったら。
ちょっとヤバイですが実際、千葉県の県に出場する選手なら基本どの人の名前も知っていたし、どんな走りでベストはいくつかまで覚えてました。笑
だから予選で誰がきても相手の走り方を知っているから怖いと思わない。
逆にここで抜ければ追いつかないと全部計算してました。笑
昔はあまりにも記録を見過ぎてたので、速い人みるとタイムが見えました。(半分冗談半分本気です)
なかなかそんな人いないと思いますが、出来る限り足掻いてやろうとやった感じです。
やっぱりどんな種目も同じだし400mにも当てはまりますが、最大限の努力をすれば必ず報われます。
ここまでやるの?ってところまで追い詰めて、あり得ないぐらい苦しんだ先に必ず成長が見えます。
理由づけをした上で、攻めてみましょう。
少なくとも400mはそれが通じる種目です。
これを読んで400mを走りたくなる人が増えたら嬉しいです!
今回はまとめなしで。
次は新チームについて書こうと思います。
コーチだけではなく、もう一つのプロジェクトを始めています。
OBとこんなことができて楽しいし、早く具現化したい。
悦びを新しい動きを通じて獲得するために。